足跡

@vbear00のメモ

2015-01-01から1年間の記事一覧

Cohen (1991) Rock Culture in Liverpool

洋書、外国語論文は、メモ取らないと大変。逆にとっておくと、あとで読み返すのが非常に楽になる。メモないと、どこに何が書いてあったのか、すぐ検索できない。 本書は、リヴァプールのロック・シーンに関するモノグラフ。著者のサラ・コーエンはリヴァプー…

佐藤公治(2012)『音を創る、音を聴く』

音を創る、音を聴く―音楽の協同的生成 作者: 佐藤公治 出版社/メーカー: 新曜社 発売日: 2012/07 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 。「チクセントミハイの言う『フロー』感覚は、『フィールド』による奨励と評価によって高められていく」p.228

リチャード・シェクナー(1997=1998)『パフォーマンス研究』

舞台について、パフォーマンスについて探求するなら、演劇は避けて通れないし、そこを標識とすることで、あらゆる比較が可能になるかもしれない。 「演技者と観客の変化と変容」 「パフォーマンスを人間の行動一般の主要なモデルと考えると、このリミナルで…

2015.4.20 演者/観客。あるいは、参加/質。

「誰でも舞台に上がれる」と「観客でいることは許されない」は別物なんだよな— じゃんぬ (@vbear00) April 19, 2015 両者は時に混同される。ワークショップやインプロのような場で、誰もがパフォーマーになることは、「誰でも舞台に上がれる」と解釈もできる…

リアルタイム・ドキュメンテーション

これをやろうと思う。制作展の制作展。つくり方の開示。 カメラ買おう… 最もシンプルなリフレクションムービーの作り方www.hashimoto-lab.com 公共コミュニケーション学会 ビジュアルミーティイング研究会 #2 from Makoto Tomita www.slideshare.net 美術手…

Kindleに詰め込みたいもの

Kindleもってないけれど The Oxford Handbook of Music Education, Volume 1 (Oxford Handbooks) 作者: Graham F. Welch,Gary E. McPherson 出版社/メーカー: Oxford University Press 発売日: 2012/07/11 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る Th…

音楽教育学(音楽の認知心理学含む)の研究者列伝

音楽教育学分野での University College London(ULC)の Institute of Education の存在感半端ない。 ・Don D. Coffman http://www.miami.edu/frost/index.php/frost/frost_profiles/music_ed-coffman_don_d_bio/ ・Andrea Creech http://www.ioe.ac.uk/sta…

上田信行・中原淳(2013)『プレイフル・ラーニング』

「舞台」の経験が、人にいかなる変化をもたらすのか、という点に関心がある。 アマチュア舞台芸術団体は、個々の力は非力な一市民たちのコラボレーションを可能にすることで、それぞれが本番の舞台に立つという経験を提供する。その時、彼/彼女らは舞台を通…

Alexander(2003)Sociology of the Arts

この本のなかで、自分が「興味もてる」部分はどこか。「夢中になれる」ことは何か。 7 Network and Nonprofits Alexander, Victoria D., 1996a, Museums and Money: The Impact of Funding on Exhibitions, Scholarship, and Management. Bloomington: Indi…

観覧:『パーソナル・ソング』

パーソナルソング | 2014年12月6日(土)シアターイメージフォーラムほか全国順次公開personal-song.com ダン・コーエンによる、音楽を用いた認知症ケアプロジェクト「Music & Memory」を描いたドキュメンタリー。下高井戸シネマにて。見ようと思っていたの…

3月のはきだめ

2015.3.20 心理学の概念に対する腑に落ちなさがつのる反面、そもそも自分、社会学の論文だってちゃんと読んできたっけ?となった。結局、『文化経済学』みたいなところの論文を拾って読んでいただけで、社会学は論文ベースでちゃんと勉強していないや。学部…

Danziger(1994=2005)『心を名づけること』

第7章 動機づけとパーソナリティ 行動を観察し研究するプログラムとしてディシプリンを築いてきた心理学は、行動を因果的に説明する概念として動機づけを用いるようになった。動機という言葉自体、20世紀になって爆発的に用いられるようになったものである。…

渡邉文枝・冨永敦子・向後千春(2014)「生活におけるゆとりが楽器を学ぶ意欲に及ぼす影響」

https://kogolab.wordpress.com/2014/05/18/jsetken-nagaoka/ ・渡邉文枝・冨永敦子・向後千春(2014)「生活におけるゆとりが楽器を学ぶ意欲に及ぼす影響」『日本教育工学会研究報告集』14(2): 91-98. 何が分かったのか? 2点。 ・「生活的余裕がない」(今…

本田由紀(2009)『教育の職業的意義』

著者の主張は何? 日本の公教育(特に、高校)がもつ職業的意義を高めること。教育の職業的意義とは、若者が仕事に対して〈適応〉と〈抵抗〉の両方をバランスよくこなす能力を、教育が提供できることを意味する。著者は教育社会学者であり、教育プログラムの…

Parncutt and McPherson(2002=2011)『演奏を支える心と科学』

音楽心理学と音楽教育学をつながていこうという宣言。 第3章 動機づけ 音楽演奏に関係する動機づけの論点は次のとおり。 価値―期待理論 Expectancy-value theory 自己効力感 Self-efficiency フロー理論 Flow theory 帰属理論 Attribution theory (原因帰属…

吉見俊哉(2011)『大学とは何か』

フンボルト主義に基づき、大学とは「研究と教育」の両方を行う場だと言われる。これまで、それが意味するところは「かつて大学とは研究だけをする機関であったが、近代になって教育的機能を求められるようになった」だと思っていた。だが、実際は逆である。…

E.Phillips・D.Piugh(2005=2010)『博士号のとり方』

うちの研究室のシステムは、学生にとってはやはり魅力的で、進学した意味あるはずと思う。 生涯学習と芸術文化活動に関する研究は、教育・文化政策・社会学などの多領域でそれぞれ微々たるものながら研究が積み重ねられているはずだから、まずそれをしっかり…

宮入恭平編(2015)『発表会文化論』

社会学×芸術(音楽)教育×文化政策ならではのテーマが書籍になったという事実にまず感謝しよう。学問的な前進はこれからだ。 発表会文化論: アマチュアの表現活動を問う (青弓社ライブラリー) 作者: 宮入恭平 出版社/メーカー: 青弓社 発売日: 2015/02/26 メ…

『Harvard Business Review 2015年3号 特集=オフィスの生産性』

ビジネス・経営の分野は、アカデミズムと民間が協働で、ひとつのプロジェクトに向かって知識の集積を目指している感じがしてうらやましいと感じる。 Ben Waber(MITメディアラボ研究員, ソシオメトリックソリューションズCEO)のソシオメトリック・バッジや…

Bourdieu(1963)『社会学者のメチエ』

ふわけんに向けて。 ブルデューが動機づけ概念をけっこうやり玉にあげてる(まだ『心を名づけること』読んでない— じゃんぬ (@vbear00) 2015, 2月 27 動機づけは因果的な説明のために用いられるが、(特に回顧的な研究プログラムから動機づけを明らかにする…

Becker(1982)Art Worlds

文化社会学読書会むけ。成城大学『コミュニケーション紀要』に掲載された邦訳を手始めに。ベッカーは芸術家と支援人員の区別を導入しているが、クリストファー・スモールに言わせれば、そういう序列のつけ方は気に食わないとなるところだろう。ベッカーは、…

OECD(2005=2014)『創造的地域づくりと文化』

要約を読んだ限り、ここで文化の効用として述べられていることは、差異の創出・イノベーションか、あるいは社会関係資本の蓄積につながるということである。差異の創出は、創造都市や観光などの議論向きである。そうした文化とは、地域に固有の文化、他の地…

ピケティ(2013=2014)『21世紀の資本』

読書会に向けて。学問的な理解はおいておいて、経済と格差に関する読み物として楽しく読めているから良いのではないか。著者自身もそういう層を意図して書いたと言っているし。経済的な用語の入門にもなっているのがいい。歴史を書くための歴史はつまらない…

相関係数の性質とベクトル

ピアソンの相関係数は共分散を標準偏差の積で割ったものであるのは良いとして、それがもつ良い性格がなぜ生じるのかは理解できていなかった。そのうち、測定単位に影響されないというのは、単位つきで計算してみれば当たり前のことだとわかるので良い。一方…

OECD教育研究革新センター(2010=2013)『学習の本質』

21世紀型スキルの習得を基軸にすえつつ、数十年の蓄積がある学習科学のレビューと実践への接続を目指した本。学習研究への入門書としても有用。 「アセスメントの本質は、生徒が取り組むように求められる活動の認知的な要素を定義することである」(p. 244…

Rosewall(2014) Arts Management

AM

Rosewall の Arts Managemnt は、芸術組織の経営の問題を中心的に扱っていて、しかも、芸術組織による教育という項目がある。 芸術組織による教育 人は生涯を通じて、芸術とさまざまな出会い方をする。少し例を挙げると次のようなことがある。 ・芸術が、職…

音楽の映画

『はじまりのうた』という映画が公開される。音楽をテーマにした映画は結構あって、この前は認知症の音楽療法を扱った『パーソナル・ソング』もあった。研究テーマとしての音楽も面白いが、作品の題材としての音楽も面白い。帰省の折に京都国際漫画ミュージ…

文化芸術に関係する財団

世の中には文化芸術に関係した財団があるのだ ・サントリー文化財団[研究助成もあり] http://www.suntory.co.jp/sfnd/ ・アフィニス文化財団[オーケストラ] http://www.affinis.or.jp/index.html ・スペイン舞踊振興MARUWA財団[スペイン舞踊―フラメンコ…

研究者の姿勢や方法

世の中には先達が残し公開してくれた知恵がたくさんあるのだ。 (2015年版)博士進学が決まったあなたが今すぐに始めるべきこと http://d.hatena.ne.jp/next49/touch/20150201/p4 【突撃!博士課程座談会】池尻良平 × 伏木田稚子 × 安斎勇樹(前編) http://…

『創造的地域づくりと文化』

『学習の本質』を知ってから、OECDの発行物への関心が増している。『学習の本質』は、適切なエビデンスに基づく実証研究のレビューを行っているところが非常に好感がもてるつくりである。ただの白書というよりは、学問の成果と実践を結び付けようとしている…