2015-09-01から1ヶ月間の記事一覧
パフォーマンス研究を確立させていった研究者のなかに、人類学ー特に口承文芸の人類学ーの流れがあったことは、実は当然のことであった。ヴィクター・ターナーの儀礼にせよ、リチャード・バウマンの口承文芸にせよ、それらは演劇の場合の脚本、音楽の場合の…
本書では第1の問いとして「熟達者は初心者とは質的に異なった課題表象が形成できるか」が挙げられている。音楽演奏における課題表象には、1.メタ認知的な目標表象、2.個々の楽曲についての対象表象である楽曲表象、3.楽曲表象を具体化するための戦略的…
プロフェッショナル―アマチュアの連続軸と、その軸を構成する概念の同定 隠れた音楽家たち: イングランドの町の音楽作り 作者: ルースフィネガン,Ruth Finnegan,湯川新 出版社/メーカー: 法政大学出版局 発売日: 2011/10/31 メディア: 単行本 購入: 1人 クリ…
「認知科学で言われている現象(熟達化など)を、実践者の言葉で表現したい」 認知科学をレビューしてると言ったときに「あの芸術をいちばん面白くなくするやつね」と言われたこともありましたな。 https://twitter.com/vbear00/status/641984413237047296 h…
専門家は社会の中で不可欠な存在となっているのと同時に、彼らのもつ専門的な知識の有効性、社会の課題を解決できる能力への懐疑が高まっている。悪化する都市環境や貧困、環境問題といったトピックは、専門家の知識では太刀打ちできないように見える。それ…
カミュはこう言ったそうな。引用元は不明。カミュの『シーシュポスの神話』は芸術哲学の書でもあるそうだがそこに書いてあるのかしらん。 芸術家を助けることができるのは芸術を愛する人々だけだ(25) シーシュポスの神話 (新潮文庫) 作者: カミュ,清水徹 …
小泉恭子(2002)学校・教育・若者. 音楽教育学, 32(1): 1-10. 方法論としてのフィールドワークではなく、ある社会集団に独特な文化や規範を描きだすモノグラフとしてのエスノグラフィーの価値を、音楽教育学においても活かすべきだというレビュー。1970年代…
日本社会において芸術家であることは可能か。この問いに対して、わたしたちはそれがとても難しいことを示す多くのエビデンスをもっている。しかし、それと同時に、近代日本の歴史上、多くの芸術家(そこには"名もなき"、"隠れた"芸術家が多く含まれる)が存…
武知優子・森永康子 (2010) 職業的音楽家に向けての課題―音楽家を目指してきた若者の語りから―. 音楽教育学, 40(2): 13-24. ■ 背景 日本において音楽家を職業とするのは難しい。それは収入を得ることの難しさと、音楽大学ではスキルの教育はあってもキャリア…
情報学環の世界観って、こういうものだったのかと膝を打つ心地がした。 情報の定義について 情報を工学的に定義すると「2つの場合があって両者の出現確率が等しい(とみなされる)とき、どちらかが出現するかの伝達」(18)である。0か1のデジタルという…