足跡

@vbear00のメモ

Green(2002)How Popular Musicians Learn

Lave & Wenger が引いてあるくだりで、彼らの徒弟制の研究が becoming a midwife in Yucatan, Mexico and becoming a tailor in West Africa(p.16) を対象としていると書かれているのを見てはたと気づいたが、本書でも Lave & Wenger でも、learning の背…

フィンケルシュタイン(1996=2007)『ファッションの文化社会学』

ヴェブレン理論は、ファッションの経済現象としての側面を強調し、富を誇示するためのシステムとして定義する。そしてまた同時に、富と成功を見せびらかしたいという願望は、ひとおり優れていることを示したいという潜在的な欲望に もとづいているとされる。…

佐藤公治(2012)『音を創る、音を聴く』

音を創る、音を聴く―音楽の協同的生成 作者: 佐藤公治 出版社/メーカー: 新曜社 発売日: 2012/07 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 。「チクセントミハイの言う『フロー』感覚は、『フィールド』による奨励と評価によって高められていく」p.228

本田由紀(2009)『教育の職業的意義』

著者の主張は何? 日本の公教育(特に、高校)がもつ職業的意義を高めること。教育の職業的意義とは、若者が仕事に対して〈適応〉と〈抵抗〉の両方をバランスよくこなす能力を、教育が提供できることを意味する。著者は教育社会学者であり、教育プログラムの…

Parncutt and McPherson(2002=2011)『演奏を支える心と科学』

音楽心理学と音楽教育学をつながていこうという宣言。 第3章 動機づけ 音楽演奏に関係する動機づけの論点は次のとおり。 価値―期待理論 Expectancy-value theory 自己効力感 Self-efficiency フロー理論 Flow theory 帰属理論 Attribution theory (原因帰属…

吉見俊哉(2011)『大学とは何か』

フンボルト主義に基づき、大学とは「研究と教育」の両方を行う場だと言われる。これまで、それが意味するところは「かつて大学とは研究だけをする機関であったが、近代になって教育的機能を求められるようになった」だと思っていた。だが、実際は逆である。…

E.Phillips・D.Piugh(2005=2010)『博士号のとり方』

うちの研究室のシステムは、学生にとってはやはり魅力的で、進学した意味あるはずと思う。 生涯学習と芸術文化活動に関する研究は、教育・文化政策・社会学などの多領域でそれぞれ微々たるものながら研究が積み重ねられているはずだから、まずそれをしっかり…

宮入恭平編(2015)『発表会文化論』

社会学×芸術(音楽)教育×文化政策ならではのテーマが書籍になったという事実にまず感謝しよう。学問的な前進はこれからだ。 発表会文化論: アマチュアの表現活動を問う (青弓社ライブラリー) 作者: 宮入恭平 出版社/メーカー: 青弓社 発売日: 2015/02/26 メ…

『Harvard Business Review 2015年3号 特集=オフィスの生産性』

ビジネス・経営の分野は、アカデミズムと民間が協働で、ひとつのプロジェクトに向かって知識の集積を目指している感じがしてうらやましいと感じる。 Ben Waber(MITメディアラボ研究員, ソシオメトリックソリューションズCEO)のソシオメトリック・バッジや…

ピケティ(2013=2014)『21世紀の資本』

読書会に向けて。学問的な理解はおいておいて、経済と格差に関する読み物として楽しく読めているから良いのではないか。著者自身もそういう層を意図して書いたと言っているし。経済的な用語の入門にもなっているのがいい。歴史を書くための歴史はつまらない…

OECD教育研究革新センター(2010=2013)『学習の本質』

21世紀型スキルの習得を基軸にすえつつ、数十年の蓄積がある学習科学のレビューと実践への接続を目指した本。学習研究への入門書としても有用。 「アセスメントの本質は、生徒が取り組むように求められる活動の認知的な要素を定義することである」(p. 244…

茂呂ほか(2012)『状況と活動の心理学』

内容盛りだくさんでお腹いっぱい。 なんで学習周辺でICT技術使うのが幅を利かせてるのかわからなかったのだけど、大戦中にアメリカの兵員教育にコンピュータが使われたのがはじまりで、スプートニク・ショックの際にはCAI研究にめっちゃ補助金が出たのが教育…

苅谷剛彦編(2014)『「地元」の文化力』

『「地元」の文化力』テーマ的にはとてもオモシロイ本なのに、アマゾンレビューにもあったけど、研究者がこの手のテーマを扱おうとすると、どうしていつも学問の皮を被ったエッセイばかりになってしまうのか。— じゃんぬ (@vbear00) 2014, 12月 28 苅谷剛彦…

『現代思想 2014年12月号 特集=社会学の行方』

「プロジェクトとしての社会学」4本が価値ある。社会学史・社会調査史の新たな展開が萌芽している。 木村論文、日本における「社会学」の定着において、改良運動との関係があったことが面白い。演劇改良運動とか音楽改良運動とか。「改良」に結びつくきっか…

リー・ミンウェイ(2014)『リー・ミンウェイとその関係』

現代アートにおいて「関係性の美学」と総称されるムーブメントについて、実に勉強になる展示内容。同時に、リー・ミンウェイの作品をみる・関わることで、彼の行為と自分たちの行為には、アートとしての違いはあるのだろうか。あるなら、そのアートを根拠づ…

レイモンド・ウィリアムズ(1985)『文化とは』

文化とは (晶文社セレクション) 作者: レイモンド・ウィリアムズ,小池民男 出版社/メーカー: 晶文社 発売日: 1985/09 メディア: ? この商品を含むブログを見る 第1章 文化社会学をめざして 第2章 制度 第3章 編成 第4章 生産手段 第5章 対象 第6章 形…