足跡

@vbear00のメモ

『現代思想 2014年12月号 特集=社会学の行方』

 「プロジェクトとしての社会学」4本が価値ある。社会学史・社会調査史の新たな展開が萌芽している。

木村論文、日本における「社会学」の定着において、改良運動との関係があったことが面白い。演劇改良運動とか音楽改良運動とか。「改良」に結びつくきっかけは、その前の「一般化可能で、進化論という一軸上にプロットできる社会」像が転換し、日本をはじめ個々の特殊性に注目するようになったこと。それゆえ、個々の社会における「現象」を「観察」するという態度が生まれる。ちなみに、明六社の先駆的な取り組みは、公共圏としての社会を擁立することであり、それは「現象としての社会」ではなく「アソシエーションとしての社会」として概念化されていた。つまり、サトケン先生が問題としている公共圏の社会というのは、日本の社会学の展開では、一度忘却されたものであったわけだ。