足跡

@vbear00のメモ

福島(2010)学習の生態学

P.139に経営学者Weickによる面白い主張が紹介されている。曰く、組織化とは複雑さの縮減であるのに対し、学習とは複雑さの拡大である、と。それゆえ組織化と学習のあいだには本質的な矛盾があるという。
これを芸術に引きつけてみれば、学習とは様々な表現の可能性を得ることであり、組織化とはその中から個人や団体の芸術表現のスタイルを確立させることであろう。
個人的な問題として、本を読むから学習はたくさんしてきたが、結局自分は何をするのかどんな行動をするのかという部分に弱点がある。組織化ができていないわけだ。
読書を見ること、観察と置き換えても良いだろう。知識は得たうえで自分は何者であろうとするのか。自らの複雑さを縮減する勇気がないし、行動力がない。
芸術についても、表現者が自らがすべき芸術のあり方を選択していくという点は関心がある。芸術家としてのアイデンティティの問題ともいえる。彼らはどのようにして何者になっていくのか。見るだけで終わっていてはオタクである。