Becker(1974) "Art As Collective Action"
いまさらながら読んだ。卒論でちゃんと社会学してないせいか、ここにきて社会学熱が来てる感じ。
集合行為として芸術を捉える面ばかりが語られがちだが、ベッカーはこの論文で、複数の人による集合行為を可能にするための convention の存在を重点的に議論している。convention によって規定されているのがアート・ワールドだ。アーティスト、サポートスタッフ(協働者)、オーディエンスたちをつなぐ様式や、形式や、習慣など、さまざまなものが convention である。芸術生産に利用できるリソースも、その一つとして考えられる。
芸術を集合的行為として捉えると、そこから組織論やら集合行為論やら運動論へと接続できる。ベッカーはあくまで、そうした社会学的研究を前身させるものとして、芸術に注目する意義をとなえているようにみえる。資源動員論とか、やはり集合行為とリソースの問題を考えるときに、つなげたいよなあ。たぶん、ニック・クロスリーはその辺をやってるのではないかという印象がある。
- Becker, H., 1974, "Art As Collective Action" American Sociological Review 39(6): 767-776
Bottero & Crossley, 2011, "Worlds, Fields and Networks: Becker, Bourdieu and the Structures of Social Relations" http://t.co/LXXI9diIHg
— じゃんぬ (@vbear00) 2014, 12月 22
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